人生100年時代の到来により、長く生きることで様々な問題が出てきました。
年金問題、働き方の問題、健康問題、孤独の問題・・・・
今から幸せに永く生きるために必要なことを心理学の観点から解説します。
人生を100年生きる時代の問題とは
少子高齢化の日本は特にそうですが、寿命は延びて皆、長生きになりました。
2017年に発表された平均寿命でいえば、日本は女性が世界第2位の87・26歳。
男性は世界第3位の81・09歳で、1位はどちらも香港でした。
昔にくらべ、老後の期間が長くなっていくわけです。
その分、私たちはいろいろな問題に直面するといわれています。
先ず一つはお金の問題。
年金は宛てにできないので、働く期間を延ばさなきゃならなくなるそうです。
ところが、少子高齢化だから、これからの時代、働き手が減っていく。
働き手が減ると社員を確保できないから会社が減っていく。
すると働く場所自体が減っていく。
既に後継者不足でここ数年、日本では数千社が倒産。
しかもその50%が黒字倒産といいますから、深刻です。
つまり、老後のお金が必要な年数が増えるのに、お金を稼ぐための働く場所(会社・組織)が無くなっていくんです。
さあ、これからどうすればいいのか?
働き方改革は何を改革すれば良いのか?
今後、こういう問題がドンドンとクローズアップされてくるはずです。
「働き方改革」って、本来こういうテーマも視野に入れないとなりません。
雇用のあり方ばかりが取り上げられていますが、それはすごく短期的な話。
長期的にみたら、先に書いたように雇用というもの自体が無くなっていくかもしれません。
そうなると個人で起業し、ネットでつながり、社会的な問題解決をビジネスにしていく。
仕事も会社単位ではなく仕事単位(ギグエコノミー)になっていく。
そういう時代になるといわれているので、ここまで含めて「働き方改革」という話だと思っています。
こんな目まぐるしい変化の中で、私たち人間のこころに、新たにどんな問題が起きると思いますか?
100年時代は孤独の時代の幕開け?
一番深刻な問題。
それは「孤独になりやすい」ということです。
今までは社会通年に従って会社に入って与えられた仕事して・・・・
転職はしても、それで何十年も生きていけた時代です。
しかし、これからは学歴もキャリアも関係ない。
「今、自分は何がしたいか」「今、自分は何が出来るか」を軸に、志を同じくする同志とつながって仕事していく時代に入る。
だから自分が何がしたいか、何ができるかを日々磨いていないと、社会的なつながりが保てなくなってういくというのです。
そしてこれは仕事だけでなはなく、普段の生活でも同じ。
ネット環境が進化したことで、離れた人ともいつでもコミュニケーションが取れる時代。
海外に住む人とSkype、ZOOM、facebook、LINEなどで簡単に、お金もかからず通話やコミュのケーションが出来る。
便利な時代になりましたが、でもだからこそ、そこに落とし穴があります。
直接会わなくてもやり取りが出きるということは、リアルに会う機会が減る。
直接人と対話する機会が減っていく時代になっていきます。
こうしたコミュニケーション形態に、私たちは便利さと引き換えに、直接の対話から得られるわかち合いの感覚、ぬくもりを失っていく。
そういう問題が出てきています。
良くいえば一人で生活できてしまう時代ですが、人と会う機会が減っていく。
だから結婚しない人もさらに増えていくでしょう。
そうなると、一人でたくましく生きていかなければならないのと同時に、自分から人に働きかけ、人とつながっていく必要に迫られる時代にもなります。
そうした時代のメンタリティー、必要なスキル、人生観とは何か?
こうしたテーマがすでに、過去の心理学の知識や理論ではカバーしきれない時代になってきました。
やりたいことをやる生きかが主流に
キーワードは「自ら気づく(築く)」「自ら考える」「自ら動く」です。
自分のやりたいこと、興味・関心に気づき、アイデンティティーを築いていく。
社会で起きていること、見聞きしたことについて、自分の考えをもつ。
これらをベースに、自分で周囲や社会に働きかけ、自分のフィールドを広げていく。
こうした生き方が求められる時代になると考えられます。
カウンセリングをずっと続けてきて気づいたことがあります。
悩みやすい人とそうではない人との違いです。
先ず、悩みにくい人というのは、自分を持っています。
自分の考え、自分の意志、自分の人生観です。
しかし、そこに固執することなく、これらが通用しないと思えば、新しい考え、捉え方、人生観の獲得に向かいます。
それから、悩みにくい人は人間関係に対して積極的です。
人間関係に対してポジティブな捉え方をして、自由に交流を重ねます。
「自由に」ですから、気が乗らない時は上手に遠慮したりします。
これはまさに、「人生100年時代」にも適応できる特徴ともいえます。
もちろん、人の生き方にはいろいろな生き方があります。
唯一の「これが正解」という生き方はありませんし、またそのように生きようと思っても、なかなか思うようにはいかないでしょう。
しかし、「自分を育てる」「人とつながる」という特徴。
これはどんな生き方をするにしても、大事な要素になってくるはずです。
そのために苦手なことは克服し、自分をさらに活かす生き方をする。
自分はどんな人間として成長していきたいかを決め、取り組む。
そうすれば100年時代、孤独な時代になっても、充実した人生を生きられると思います。
人の目、人からの評価、人からどう思われているかに追われる生き方
人生の捉え方次第で、毎日の生活って変わります。
自分の人生の中で、何が中心的なものになっているか?
一度、見つめ直してみてください。
仮に人からの評価・承認を求めることが、毎日の生活の中で中心的なものだったら、どうでしょう?
私たちはつい、人からの評価・承認を求め、それが得られないと苦しむ・・・という
いわゆる悪循環にはまっていることが多いんです。
人からの評価・承認のために生きる。
だから常に結果を気にし、怖れ、将来が不安になっていく。
結果を気にし過ぎると、消極的になったり、気持ちが萎縮していきます。
その先に、私たちの人生の未来はあるのか?
人からの評価・承認というのは、たしかに社会では求められることが多いですよね。
でも、だからといって、それを人生の中心に据えてしまうと、やっぱり息苦しくなっちゃいます。
まして、人からの評価・承認を、人生で一番重要なものだと思ってしまうと・・・・
人と競争するようになったり、結果に一喜一憂したり・・・・
人の目や人からどう思われているかが気になってばかりで、自分がなくなります。
やがては疲れ果て、自分に自信を失ってしまう。
それってやっぱり、心が荒んでいく生き方です。
あなたは、どうでしょう?
もしかしたら、そんな毎日になっていないですか?
結果よりプロセス(経験)が財産となる
私たち自身の価値、生きる意味って、本来、数値化できないものだと思うんです。
でも、それをいつのまにか数値化するようになってしまった。
人事評価、収入、所属している会社の規模、資産の額・・・・
そこから何か、私たちの歯車は狂っていったんじゃないでしょうか。
あなたにとって、本当に対s手うなもの(こと)って何でしょう?
そしてそれは、本当に数値化できるものなのでしょうか?
年収1000万円を目指す!
もちろん、目指して頂くことはいいんです。
なぜなら、そのためには、いろいろ苦労が伴うし、必要なら自分を磨き、学んでいく経験にもつながるからです。
でも、これは人生の一つの置き石に過ぎないと思うんです。
1000万円稼ぐために生きているのではなく、これを一つの置き石として、様々な経験をしていく。
その経験からいろいろな思いをし、いろいろなことを学び、人間として少しずつでも成長していく。
そこに、つまり成長していくことに人生の目的、生きる意味があるんじゃないか。
私はカウンセリングで多くの人たちと向き合ってきて、そのことを教えらたんですね。
結果よりプロセスが大切であり、成果より経験が心に残る。
こう捉えるからこそ、失敗も無駄ではなくなります。
失敗経験を次に生かすか、ただ挫折の種にしていくかを私たちは自分で選べます。
いえ、むしろ失敗の方が、辛く、苦しく、悔しい思いをしますよね
だからこそ、気づくこと、学ぶことも深く、より重みをましていきます。
どん底から立ち直った人の「強さ」は、ここにあります。
もし、1000万円を達成することを、生きる意味にしたとします。
すると「達成できないと意味がない」と考えるようになるかもしれません。
これ、すごく苦しい生き方です。
毎日が時間も余裕もない生活に変わります。
「こんなはずじゃなかった・・・」と・・・・
結果や成果、評価や承認を人生の真ん中に据えることで、私たちは生きるのが苦しくなっていくんじゃないでしょうか?
そうじゃなくて、何よりも、経験こそ人生の目的と捉えれば、どんな結果になっても、そこに意味を感じられます。
最終的に「この経験から何を学べばいいのか」という問いを忘れなければ、どんな経験も力に変えていけるはずです。
私たちは、自分自身の捉え方を通して人生を見ています。
自分の人生観が、自分が見る世界をつくっています。
人生観が変われば、世界観も変わります。
自分の受け取り方、捉え方が人生を左右する
アルバートエリスという心理学者がいいました。
「私たちはどんな風に物事を受け取っているか、その受け取り方の世界に住んでいる」
だから、受け取り方、捉え方が変われば、生きている世界が変わります。
カウンセリングに通っていた30代後半の男性が、とあるきっかけで自分の捉え方が変わり、人生観が変わりました。
そのとき彼は
「目に映るものすべてが、パーっと光り輝いて見えるようになった」
と教えてくれました。
人生観が変わるって、そのくらい大きいことなんですね。
仮に人からの評価や承認を求めてもいいとしましょう。
でも、それを求める過程で何を学んだかがとても大切なんです。
評価や結果より「どんな経験をして何を学んだか」が人生を決めます。
今の自分を変えたい。
毎日を笑顔で、穏やかな気持ちで過ごしたい。
感動と感謝に彩られた人生を生きるカギは、人生をどう捉えているかです。
あなたは今、自分の人生をどう捉えていますか?
「こう捉えている」と答えられるように、一度、人生を捉え直してみてください。
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