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今ではすっかり廃れてしまった勉強法ですが、やはり逐語分析は最も確かな勉強の仕方であり、トレーニングです。
改めてこの逐語分析の威力についてお伝えします。
逐語記録は、カウンセリングの面接を録音して作ります。
カウンセリング面接の録音にあたっては、予めクライエントに録音の許可を取ります。
私の場合、初回の面接前に書面で録音の許可を取ります。
そこに、録音の目的はカウンセラーの振り返りや研修のためであり、それ以外の目的では使用せず、管理を厳重にする旨が記載されています。
私の所に来談されたクライエントのうち、実に95%の方が快く承諾くださいます。
そしてICレコーダー等で録音した音声をもとに、一言一句に至るまで正確に文字化します。
今だったらzoomやSkypeなど、録音機能がついていますね。
間や沈黙が30秒以上の場合、分数(ふんすう)及び秒数も記載します。
そうやって、面接のやり取りの音声記録と文字(逐語)記録の両方を突き合わせて、そのやり取りを徹底的に検討・分析していきます。
検討・分析対象は主にカウンセラーの応答になりますが、その他クライエントの言動やケース全体の見立てまで、可能な限り厳密に行います。
私の元では、こうした分析・検討を現在も数名の塾生が行なっています。
いずれも検討を数回実施しただけで、その後の応答演習の正答率の上昇や、ロールプレイや実際のセッションでの聞き方・応答の精度の向上が見られました。
これに準ずるものとして、養成塾にある応答演習用の「ケース演習」があります。
この「ケース演習」は、実際の逐語記録から抜粋されたやり取りを問題にしたものです。
このケース演習を、だいたい10〜20こなすと、多くの受講生に実力の向上が見られます。
本来、昭和25年から40年代頃までは、こうした学習が日本では盛んに行われていました。
しかしそれ以降、徐々にこうした学習の場が減り、現在ではほぼ、廃れてしまいました。
なぜ、これほど確かで威力のある学習方法であり、トレーニング法でもある逐語分析が廃れたのか?
それは、指導できる人間がいなくなってしまったからです。
教える人間がいなければ、そもそもやりたくても出来ません。
つまり、逐語を分析できる指導者がいなくなったというのが、この方法が廃れてしまった一番の原因です。
あとは、逐語を作成する学習者の数の著しい減少ということも原因です。
逐語記録の作成は、非常に面倒くさい作業です。
時間と手間がかかりますので、それを嫌う学習者が増えてしまったといえます。
そのような事から、逐語分析をしっかりと継続的に行っている場は、ほとんど見られなくなってしまいました。
そして、こうした必要なトレーニングの場が廃れたことで、カウンセラーの臨床の力は、近年、著しく落ちていきました。
今ではおうむ返しに毛の生えたような教えによって、迷路にはまる学習者が激増し、カウンセラーの社会的信用はガタガタになりました。
逐語分析が極めて有効な学習・トレーニング手段といえるのは、臨床の反射神経を磨くことと直結している唯一の方法だからです。
では、なぜ逐語分析が臨床には必須の反射神経を磨く唯一のトレーニング法といえるのでしょう。
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