「うつ病」の理解と対応(一部無料公開)

今回は「うつ病」について解説していきます。

精神医療に関する知識は、その専門書にゆずるとして、ここではうつの原因やその治療(ケア)について、基礎的な内容を敢えて簡単に書いていきます。

うつの状態というのは一言でいうと、否定的な感情や思考で心の中(脳)がいっぱいになってしまった状態です。

うつ的な状態とうつ病というのは、厳密にいうと違いますが、状態は程度の差こそあれ、似ています。

否定的にしかものを捉えられなくなったり、否定的にしか物事を考えられなくなったりすることで、そのために日常生活において否定的な感情状態でいる時間の占める割合が長くなっていきます。

当然、言動も否定的になり、周囲の人たちはどう接していいかわからなくなります。

うつ病を発症する原因はいろいろあります。いろいろあるのですが、大きくわけると

1)長期間にわたって心にダメージを負う経験をした。
2)受け止めきれないダメージを心に負う経験をした。
3)元々気質的、遺伝的にうつになりやすい傾向を有していた。

この3つに大別できます。(ちょっと大雑把過ぎますが・・・)

よく、うつの人への励ましがNGだと言われます。

それは「頑張ってね」という言葉を「お大事に」に近いお見舞いのようなニュアンスで言ったとしても、うつの人はそれを否定的にしか捉えられない状態にあるからです。

だから「頑張れない自分はダメだ」「これ以上、どう頑張れというのか」としか解釈できなくなり、余計に精神状態が落ちていくことが多いのです。

また、うつ病の症状の中で最も気をつけなければならないのは自殺です。

自殺したいという衝動が出てくる場合があったり、実際にそれを実行に移してしまうことがあったりするのです。

これは、うつ病という病気の症状の一つとご理解ください。

これを防ぐために、薬物療法によるコントロールと入院によるコントロールを行うことがあります。

うつ病の回復には、基本的に時間が必要で、数か月から年単位の時間が必要な場合が多いです。

そして薬物療法(抗うつ剤など)と心理(精神)療法(カウンセリングなど)の併用が治療の基本となります。

薬に関しては、不適切な処方が問題になってきましたが、適切な処方、必要な処方が行われれば、回復が遅れるのを防ぎます。

そして薬の力を一時的に借り、その力を借りる必要のない状態に移行したら、少しずつ薬を減らし(減薬)、最終的には断薬します。

うつ病には、完治しない(内因性)のものもあり、その場合は状態を観ながら薬を飲んだり止めたりして、長い目でケアしていく必要があります。

完治しない心の病には、他には統合失調症、強迫性障害(一過性のもの以外)、そして双極性障害(躁鬱病)などがあります。

さて、うつに対するカウンセリング(心理療法)のポイントをお伝えします。

症状の重い時は、カウンセリングは控えます。

薬物療法と休養がメインになり、状態が落ち着いてきたらカウンセリングを受けます。
うつ病のカウンセリングの目的は

1)精神的に安定をさせること
2)うつに陥った心の捉え方、傾向に気づき、改善していくこと

の主に2つです。

基本は傾聴と共感的理解に重点を置き、クライエントの自己洞察が自然に、そして確かに起こり、進んでいくような流れをつくります。
(つまり、自己洞察ができる精神状態にまで回復していることが、カウンセリングを行う条件です)

うつ病やうつ状態に陥るには、その根底にその人の否定的な捉え方のクセが存在しますので、その存在や傾向に気づくことが第一です。

そして、そのクセに囚われないように、洞察を深め、新しい捉え方を獲得できるようなプロセスにしていくのが、うつ病やうつ状態の人へのカウンセリングの基本原則です。

では、具体的な対応をどうするかを、事例を通して考えていきます。

復職を目指すOKさんの事例を例にとり、その関わり方の具体を考えていきましょう。

【演習問題1】の問題を解いてみてください。

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