本当にやりたいことを探求する【応答演習問題】(一部無料公開)

(一部無料公開)

自分が本当にやりたいことをやっていますか?

この問いに心から「イエス」と応えられる人は、そう多くはないでしょう。

「人生100年時代の到来」と言われるようになり、少子高齢化やAIの出現などにより、今、私たちが根本的に生き方を問い直される時代になりました。

右へ倣えの生き方が出来なくなり、自分で自分の生き方や働き方を見つける時代に入ったのです。

大学に進学し、そのまま企業に就職して60歳くらいで定年という構図は、今後大きく変化していくといわれています。

先ず、大学を卒業してすぐ就職せずに、アイデンティティーの再確認や進路の模索期間をもつ生き方が増えるとされていて、既に欧米の若い人たちはその動きを見せているようです。

そこで本当にやりたいこと(興味・関心といった主観的な判断基準)、自分の適性(強みや能力など客観的な判断基準)、そして自分の特性(人間関係や人生観、アイデンティティーなどの基準)をじっくり検討します。

「LIFE SHIFT 人生100年時代の人生戦略」の著者でロンドンビジネススクールの教授リンダ・グラットンは、これを「エクスプローラー」と呼んでいます。

また同氏がその次のステップを「インディペンデントプロデューサー」とし、会社に就職するのか、それとも起業するのかなど、働き方も含め、どんな仕事をどういう形でどんな人間や組織と組んでやっていくのかを形作っていく時期としています。

そして3ステップ目として一人の人間が複数の仕事(ビジネス)やプロジェクト、ライフワークなどに同時並行で取り組むとし、こうして働くタイプを「ポートフォリオワーカー」と呼んでいます。

寿命が100歳に到達する人間が世界的に増えていく中で必然的に働く年月は長期化するとしていて、長い年月(例えば50年)働くには、一つの企業にとか、一つの仕事をずっとという形は難しいというのです。

そのために、そもそも何を仕事にするのかも今以上に吟味が必要になり、なおかつインターネットやAIが進化する時代には組織に頼らず自分で働き方を選択できる。

複数の興味のある仕事や、自分の専門性から派生したビジネスを同時並行でしていく働き方や生き方がスタンダードになっていくと提言しています。

そのモデルになる国は北欧です。

北欧は福祉や教育、社会保障に独自性があり充実していることで知られていますが、同時にデジタル国家として世界最先端を歩んでいる国でもあるのです。

福祉・教育・産業、生活全般をIOTやAIを活用したスマートシティー構想などと紐づけして、あくまでも人間中心の社会の充実に挑戦しています。

ヒュッゲ(HYGGE)=団らんを守るためのデジタル構想ということでしょうか。

日本のようにただ便利さ、手軽さ、効率、利益の追求のためではなく、あくまでも人間中心の社会を充実させる手段としてデジタル化を活用するということなのでしょう。

さて、話を「本当にやりたいこと」に戻します。

そんな社会の変化が始まったからこそ、世代を超えて「本当にやりたいことをやる生き方」が求められてくると私は切実に感じています。

それは、日々のカウンセリングで出てくるテーマにもなってきているからです。

自分の人生をどう生きるか、どう働くか、どんな進路を選択するかといった相談に対して、従来の経験値や常識では対応できなくなってきました。

ただ、こうした社会の変化を押さえながらも、あくまでも自分が本当にやりたいことや適性を見出していくカウンセリングの原則や基本は変わりません。

自分の興味・関心、適正、そして適応というテーマを一つ一つ検討していくという従来の原則は同じだということです。

そこで、今回はあるカウンセリングの場面(逐語記録)を検討することによって、こうしたテーマをどう捉え、どう対応できるのかを考えます。

(逐語記録による演習問題とその解答・解説は会員のみ限定公開となります)

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