援助と傲慢は紙一重?臨床に必要な「見えている」ということ(一部無料公開)

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人助けというのは、一歩間違えると傲慢さが出てきます。

その結果、良かれと思ってやったことが、逆に相手を傷つけてしまったということにもなりかねません。

しかも、良かれと思ってやった方は、相手を傷つけたことに気がつかない。

でも、自分は助けたつもりになっているので、援助を受け容れなかった相手に怒りを覚えたりすることもあります。

こういうケースは、決して珍しくはありません。

なぜこのようなことが起きるのかといえば、援助する側が援助を受ける側の立場、置かれた状況、パーソナリティー、そして気持ちが「見えていない」からです。

ですから、対人援助では、援助される側のことが「見えて」いないとならない。

これは非常に大切なことです。

以前、とても悲しい、こんなケースがありました。

私のケースではありませんが、ある小学3年生の女の子のケースでした。

母子家庭で、一人娘のHさん。

Hさんは、いじめに遭い、不登校になりました。

学校にがんばって行っても、教室にはどうしても入れませんでした。

学校は、なぜ彼女が学校に来れないのか、わかりませんでした。

しかし、ある一定の場所に入れないとなったら、その場所に原因があると考えるのが定石。

つまり、教室に問題があるわけで、いじめや学級崩壊、もしくは、友だち同士のトラブルなどが考えられます。

スクールカウンセラーとのカウンセリングで、原因はいじめだとわかりました。

ただ、学校側は状況を全く把握も改善もできず、一年が過ぎました。

やむなく、彼女は転校します。

転校先の学校は、Hさん親子を、暖かく迎え入れようとしました。

クラスメイトや保護者たちも、優しく声をかけたりしました。

ところが、すぐに彼女はまた、不登校になります。

程なくして、その学校で、ある噂が広がります。

クラスメイトが、転校生のHさんを、いじめているのではないかと・・・・

だから、Hさんは、再び不登校になったのでは・・という噂でした。

そこで、クラスメイトも、保護者も、この状況を何とかしようと焦ったのかもしれません。

考えた末に、Hさんに宛てて、皆で手紙を書いたのです。

おそらく、その一通一通は、心ある手紙だったことでしょう。

しかし、その後、Hさん親子からは、何の音沙汰もありませんでした。

少し日にちがたって、Hさんのお母さんから、担任の先生を通して返事がありました。

その返事の内容は、「ソッとしておいてほしい」というものでした。

これで、クラスメイトと保護者は、プツンと切れてしまいました。

いったい、あの親子はどういうつもりなんだと・・・・

ここまで読んで、あなたはどう思ったでしょうか?

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