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『職場の人間関係で悩むBさん』
これはBさんとカウンセラー(C)のカウンセリングの導入部分のやり取りです。これを読んで問いに答えてください。
B1「仕事で自分がミスをするんじゃないかと、ものすごくビクビクしてしまうんです。仕事というものにはミスはつきものだということはわかっているし、完璧な人間なんか居ないとは思うんですけど、なんか自分がミスするとものすごく批判されるんじゃないかとか、こっぴどく攻撃、攻撃というか、叱られるかもとか。そういうことばっかり考えてしまって・・・・。どうすればいいんでしょうか?」
C1「 」
問題
C1で、あなたならどんな風に応じたくなりますか?次の5つの中から適当だ
思うものを一つ選んでください。
1)そりゃあ、誰だって失敗はするものですものね。
2)何か自分に対して劣等感があるのでしょうか?
3)職場の人たちはそんな風に非難する人たちなんですか?
4)誰だって失敗はするものだとわかっていても、自分がミスをするとものすごく非難されてしまうんじゃないかということばかりを考えてしまうんですね。
5)私もそういう思いになる時がありますよ。嫌なものですよね。
【解説】
おそらく1・2時間目の演習を通じてある程度問題の解き方というか、話の聞き方を理解できてきているのではないかと思いますが、今回も解説を入れていきたいと思います。
一つ一つ選択肢を検討していきましょう。
1)そりゃあ、誰だって失敗はするものですものね。
この応答はどうでしょうか。
もちろんこれは正解ではありませんが、どこがどう問題だとあなたは思いますか?
もしかしたら、日常会話の中では知らず知らずのうちにこのような応じ方をしているのではないでしょうか。
先ず、このBさんが最も言いたかったことは何でしょうか?
1)の応答の内容のような「誰でも失敗はするものだ」ということを、このBさんは一番伝えたかったのでしょうか。
もちろんそんなはずはありません。
このように相手の話しを聞くとき、あるいは相手の話しをちゃんと聞いた、あるいは聞けているかを確認しようという時におさえなければならないポイントは、相手が最も言いたがっていること、一番伝えたいと思っていることは何かということです。
☆相手が最も言いたがっていること、一番伝えたいと思っていることは何か。
これをしっかりとおさえて応答に織り込んでいくことが、相手の話しを聞いて確認をしようという時には重要になってきます。
相手の最も言いたがっていること、一番伝えたいこと、それは「こういうことか」という応答で返して、それが当たっていれば、相手は先ず間違いなく「そうです、その通りです」といった反応を思わずするはずです。
この反応が出れば、相手もその次の話に自然と出てきやすくなりますので、会話もはずみますし、カウンセリングでも進展をみます。
この観点からすれば、1)は不適切だということになります。
人間誰だって失敗するという話を引用しているのは、Bさんが、自分が失敗を極度に恐れてしまうという、どうにもしようのない気持ちをリアルに伝えるために、一つの枕詞のようにして、より自分の心理状態をわかってほしかったからです。
完璧な人間なんていないんだということはよくわかっている。
何をするにも失敗はつきものなんだということも理解している。
それなのに自分はどうしてもミスをするということが脅威になっているのだという、そういう状況に自分がいて、どうにもならないということを先ずはわかってほしい。
それがB1なのだということではないでしょうか。
続いて2)はどうでしょう。
2)何か自分に対して劣等感があるのでしょうか?
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