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同感・同調と確認・理解の違い【事例検討】
そこで、肯定的に聞くということと肯定するということとの違いをより具体的に解説していきたいと思います。
では次のある小学校の先生の語りについて考えてみましょう。
先生「Aには本当に手を焼いています。あの子は正直、私の手に負えないかも知れません。授業中もすぐに口を出し、隣の子にもずっとちょっかいを出し、私が指導を入れても全く聞いていないばかりか、とぼけた態度をしたりで困ってます。特に大人とみると反抗的な態度を取るようで、『Aさえ居なければ・・・』と思ってしまいます。」
さて、先生は生徒であるAの指導に行き詰まりを感じています。
落着きもなく周りの子どもにもちょっかいを出し、先生たちの言うことも聞かないどころか、反抗的な態度まで取るということです。
こういう話を聞いた時、もしあなたがスクールカウンセラーであったとしたら、どのように応じたら良いでしょうか。
次の3つのパターンの応答を見てみましょう。
C1「でも先生。ここであきらめたら誰があの子を救うんですか?あの子は何か満たされない思いというか、心が傷つくような経験をしているのかも知れないですよ。先生は一生懸命やられてきたし、それはAにも通じているんじゃないですか?教師としての正念場だと思って、もう一度改めて一緒に考えてみませんか?」
この応答C1はどうでしょう。
確かに子どもの立場に立とう、もう一度教師に奮い立ってもらおう、何とかAという子どもの荒れた心を救いたいというスクールカウンセラーの思いが伝わってきそうです。
ですが、これでは八方ふさがりの感のある先生にしてみれば、下手をするとさらに先生自身が追い詰められるような気持ちにならないとも限りませんし、実際このような働きかけをいきなりしても、先生の心を建設的な方向に動かすことはできません。
先生にしてみれば、それこそ自分の思いをわかってくれたという気にはなれないでしょう。
では次の応答C2はどうでしょうか?
C2「授業中も落着かないし、指導しても入らないどころか、反抗的な態度になるというのでは、『Aさえいなければ・・』と思ってしまいますよね。」
このC2は一見先生の気持ちをよく、くみ取っていて適切な応答だと思う人もいるかもしれませんが、こういう応答は非常に危険です。
なぜならば、これはいわゆる「同調・同感」という応答で・・・・・・・
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