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14年近くカウンセリングというものをしてきて、切実に思うことがあります。
それは、人間関係の経験値というものの「重さ」です。
この経験値はまず、年齢的に獲得すべきときに獲得できるほうが、やっぱり望ましいということです。
幼児期、学童期、思春期、そして青年期と、それぞれの年齢だからこそ獲得できるものがあります。
この時期に獲得に失敗した場合、後でカバーできるものもありますが、後になってはもうどうにもカバーできないものもあります。
つまり、その時の年齢だからこそ獲得できるものがあって、それはその時期に獲得に失敗すると、後で取り返せるものは限られてくるということなのです。
だから、例えば不登校の時期が長期化した場合、ものによってはそこで人間関係によって経験学習できるものが学習できないで積み残されます。
そうして積み残されたものは、なるべく早い時期にリカバーしておくことが必要になります。
引きこもりというのは、この人間関係の経験値の獲得において、大きな挫折が生じた状態だともいえます。
そのきっかけや、時期・期間によっても違っては来ますが、長期間引きこもった場合(数年から数十年)、そのブランクを取り戻すのはかなり困難だといっていいでしょう。
様々な人との人間関係を築いていくには、築けるだけの反射神経が必要になります。
その反射神経は、年齢と共に獲得されるものと、それこそ人間関係の経験値によって磨かれていくものとがあります。
カウンセリングの相談内容でも、相談者の人間関係の反射神経が著しく不活発な状態である場合、カウンセリングによって果たしてどこまで回復が望めるかは難しいところです。
しかし、深い考察と見立て、そして確かなかかわり方がどれほど出来るかということも、一定の影響は与えます。
それには、カウンセラー自身が人間関係の経験値を十分もっていて、その反射神経をさらに日々磨いていく必要があるのは、言うまでもないことです。
人間関係を築く上では、微細な反射神経を働かせる必要がありますし、そのためのカウンセリングでもカウンセラーには、さらに微細な反射神経が求められます。
では、この微細な反射神経を磨くトレーニング法というものはあるのでしょうか?
一番確かなトレーニング法は、実際の事例を出来る限り丹念に学び、しかもその学習を継続していくことです。
更にはカウンセラー自身が指導者による十分なカウンセリング(教育分析)を受け、スーパービジョンを受け、エンカウンターグループなどのグループ体験を積んでいくことでしょう。
そうした訓練の地道な積み重ねこそ、現場で「いざ」というときに適切で確かな対応につながる「反射神経」をマスターする唯一の方法といえます。
後はカウンセラーが自分の日常の人間関係を大事に育てていくことも、良いカウンセリングを続けていく上では大切です。
では、そうした反射神経を磨くために、今回は実際の事例から学んでみましょう。
この大学生、人間関係に悩んでいるということが主訴のようなのですが・・・・
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