クライエントの言動を絶対視する?(一部無料公開)

クライエントの言動を絶対視する?(一部無料公開)

先日、とある企業の社員研修で、コミュニケーションをテーマにした研修を行いました。

内容は養成塾で行っているような傾聴トレーニングの入門者向けレベルといったところです。

前半はアイスブレイク的なグループワークと私の講義を中心に進め、後半はケース演習のグループワークとロールプレイの実技演習でした。

ケース演習でのグループワークでは、各自作成してもらった応答をグループでシェアし、その後、各自の回答をもとにグループでの回答作成に取り組んでもらいました。

こうしたケース演習をやっていていつも感じることがあります。

それは、そのケース演習の中でクライエントが訴えている内容から受講者が離れていってしまうということです。

クライエントが一番言いたいことは何なのか?を考えようとしているときに、この傾向が多くの受講者に見られます。

クライエントの言いたいことを見つけようとするわけですから、そのヒントも答えもクライエントの話の中にあるはずです。

ケース演習で言えば、そこに書かれているクライエントの喋ったことです。

このクライエントの喋ったことを通してしか、そこでクライエントが言いたいことは見えてこないはずです。

ところがワークに入った途端、受講者はそれぞれクライエントのしゃべっていることから離れていき、自分の勝手な推測からクライエントの言いたいことを探そうとし出すのです。

グループワークでこのような流れが出てくると、もうそのグループはクライエントの言っていることから見つけるという作業に戻れなくなります。

各自がそれぞれ自分勝手な推測のもとに「こうではないか」「あーではないか」「きっとこういう不安もあるんだ」と始めてしまい、 収拾がつかなくなってくるのです。

そのため、講師である私がそのグループに一言、 軌道修正が生まれるような介入をして、再びそのグループはクライエントのしゃべっていることにフォーカスできます。

さて、このことがどういうことを意味するのか、おわかりでしょうか?

ケース演習の問題というのは、文字に書かれた逐語記録です。

文字に書かれたものを目の前に置きながらの作業です。

ですから、 そこに書かれてあるクライアントの喋った内容を何度も目にすることができます。

しかも、ワークのはじめには「ここに書かれてあることから考えましょう」 という指示は出しています。

にもかかわらず、 受講者たちはそこから外れ、 勝手な推測に走り出すのです。

~ 中略 ~※全文は会員限定公開となります。

そこで、 今回は久しぶりに「ケース演習」に取り組んでみましょう。

次のページの<ケース演習29>の回答を作成してください。

この<ケース演習29>の回答&解説は会員限定公開となります。

<ケース演習29>
◆以下はある会社の同僚同士の会話の一部です。Aさんの話をあなたが聞いていると仮定して読んでください。

A「昨日ちょっとミスしちゃって、それで主任に怒られちゃった。そのとき『詰めが甘いです。自覚をもって欲しい』と言われてしまって・・・・言われたことっていうか、注意されたことはわかるんだけど、なんか、引っかかるっていうか、言い方?言っていることは正しいし、自分もそこは気が回らなかったとは思うんだけど、でも何かこう、主任のその言葉がずっと残ってしまって・・」

【問】
あなただったらAさんのこの話を聞き、どんな言葉で応じますか?
適切な返しの言葉(応答)だと思う答えを作成してください。

解説・回答は会員限定公開となります。

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