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感受性を働かすということ
私はスクールカウンセラーとして小学生と接っしてきましたが、休み時間に廊下を歩く時は、敢えてゆっくりと歩くようにしていました。
一般に学校の先生は歩くスピードが速い先生が多いようです。時間に追われて忙しいということもあるかも知れませんし、ダラダラ歩かない見本としてスタスタと歩いているのかも知れません。
しかし、私はゆっくりと、どちらかというとのんびりと歩くようにしていました。
なぜかというと、子どもたちにつけ入るスキを与えるためです。
どういうことかというと、子どもの中には、「鈴木先生」と声をかける子もいれば、いきなり後ろから体当たりしてくる子もいます。
声をかけるというアプローチではなく、体当たりしたり、中にはぶったり蹴ったりしてアプローチしてくる子もいます。
子どもの中には、言葉ではなく、そういう態度でないとこちらに関わりのきっかけをつくれない子もいるのです。
そういう子がぶったりけったり、あるいは体当たりできる余地を与えるために、私はわざわざゆっくりと歩いているわけです。
ではなぜわざわざそんな行為を許すようなことをするのか。
それは、そういう子が後々相談室にやってくる確率が高かったからです。
不思議なことに、スクールカウンセラーという名前の意味や、私がカウンセリングをしたり、相談室でどういうことが行われるのかをよくわかっていなかったりする場合でも、なにか問題を抱えた子は私に関わりをもとうとしてくることが少なくないのです。
こういう子は鼻が利くのかな?と思うほど、不思議と関わりを持ってくる場合があるのです。
こういうことがあるため、廊下ですれ違う子どもの表情、様子一つも疎かにできない感じがあるのです。
そしてそうした僅かなシグナルを感じ取る感受性が重要になってくるわけです。
そしてこのような感受性を働かすということは、なにもスクールカウンセリングの場面に限って必要なことだというわけではありません。
人間関係の至るところでこのように感受性を働かすということは大切です。
そして私たちはこのように感受性の重要性を知らなくても、人間関係の中でその人なりの感受性を働かせながらコミュニケーションをしてきているはずです。
相手が言っていることの意味、訴えたいこと、気持は何か。
相手に対して自分はどんな言葉をかけたらよいのか。
どのような対応や関わりが一番適切なのか。
そうしたことを会話や関わりの中で常に判断や選択をしながら動いているはずです。
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