【事例演習の解答・解説】
さて、今回は前回の問題の解答と解説ですので、前回のテキストを開きながら進めていってください。
A君とA君の母親とのやり取りから、A君、O君、T君の3人の人間関係を考察していくという問題です。
皆さんはこの3人に起きたことをどのように捉えたでしょうか。
また、A君、O君、そしてT君という3人の子どもたちの置かれた立場やそれぞれの思いについて、どこまで理解ができたと思われるでしょうか。
一つ一つ考えていきましょう。
そもそも3人組を形成する前に、O君とT君という友達関係がありました。
もともとこの二人は自分の思ったことをそのままぶつけ合うタイプの子どもであり、お互いにぶつかることも多かったようです。
そのため、これまでも何度かぶつかり、ケンカ別れのような状態になっては、また元通りにくっついて遊ぶということを繰り返してきたようです。
そこへ、F先生の働きかけによってA君が仲間になりました。
F先生が実際にどのような働きかけ方をO君とT君にしたのかまではわかりませんが、その働きかけは基本的にはそれほど抵抗もなく、どちらかというとすんなりと受け入れられたかのようでした。
その後3人で仲良く遊べていて、A君自身もその様子を楽しそうに母親に話しているところからすると、3人の関係は基本的には良好であったといってもいいのではないでしょうか。
では、その良好だと思われた3人の関係は、どのようなプロセスをたどって崩れていったのでしょうか?
ここでその発端となったことはなんでしょうか?
これはO君とT君のケンカであることはどうやら間違いのないことでしょう。
そのケンカの内容までは、このA君の証言だけではわかりようもありませんが、とにかくこのケンカ以降、これまでと違い、関係修復にいまだ至っていないという現状が続いているということだけはいえそうです。
そしてA君の告白があります。
A君は母親に、実はT君がA君のいない所でO君に、A君とは本当は遊びたくなかったんだというようなことを言っていたという事実があったということをO君から聞かされます。
これを聞いたA君のショックは相当なものだったでしょう。まだ断定はできませんが、おそらくA君がお笑いの番組を観ていてもいつものように笑えないと母親に訴えていたのは、この出来事が原因である可能性が高いと思われます。
A君としては初めて自分の仲間が出来た。
小学校生活5年間の中で初めての遊び友達ができたわけです。
しかも、自分は気持ち良く迎え入れられ、3人で楽しく遊べていた。
それはおそらく3人とも実感していたことではないかと思います。
そう思っていただけに、T君の言葉をO君から聞いたA君は、もしかしたら裏切られたような思いにすらなったかもしれません。
誰か一人がつまらないと感じていたり、この3人組に大きな不満を抱いていれば、小学生のことですからそれが表に漂わないはずはないし、それはその子の言動にも表れてくるものです。
当然、相手にも伝わるわけで、そうなれば3人で遊んだ出来事を母親に楽しく語れるような雰囲気、経験にはならないでしょう。
ところが・・・・・・・・・・
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